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痔核

痔核には、歯状線という、直腸と肛門の境界部よりも上の直腸粘膜の部分にできる内痔核と、歯状線より下の肛門の部分にできる外痔核があります。普通、痔核というと内痔核をさします。

外痔核は、主として血栓性外痔核であり、急激な血行障害のため肛門部に血栓(血豆)ができます。はじめはかなり痛みがありますが、数日で痛みはひいてきます。腫れがひくのは数週間かかりますが、手術はほとんど必要ありません。

内痔核は直腸下端の内痔静脈叢という血管の腫れの事です。運動・便秘・妊娠など除々に血液の循環が悪くなり、内痔静脈叢が血液のたまりのためにふくれてきます。最初は痛みのない出血程度ですが、大きくなっていくと、排便時や腹圧がかかったときなど肛門の外に脱出します。脱出初期では自然と戻ってきますが、悪化してくると指で押し戻さないといけなくなります。痛みはほとんどありませんが、脱出が大きくなると肛門に傷ができて(随伴性裂肛)、痛みが出てくることがあります。

  分類 主な症状


Ⅰ度 痔核 ・痔核の脱出はない。
・痛みはなく、排便時に出血することが多い。
Ⅱ度 痔核 ・排便時に脱出するが、自然にもどる。
・出血があり、痛みも出てくる。
Ⅲ度 痔核 ・脱出して、指で押し込まないともどらない。
Ⅳ度 痔核 ・指で押し込んでももどらない。
・硬くなって痛みも出血もなくなる。
・粘液がしみ出して下着が汚れる。





  • 血栓症
    外痔核
    痔核 ・肛門周囲に血栓(血の塊)がつくられたもの。
    ・皮膚が破れて出血することがある。
    ・はげしく痛む。
    嵌頓
    (かんとん)
    痔核
    痔核 ・痔核内に血栓が多くでき、嵌頓状態(脱出して腫れ、もどらなくなる)となったもの。
    ・はげしく痛む。
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